ムラサキツバメ Powdered Oakblue
次(ウラゴマダラシジミ)へ
前(ムラサキシジミ)へ

リタイアした年の秋、我が家の庭にいた家内から「サザンカに見たことがない蝶が来ている」と声がかかった
蝶のシーズンは終わった後だし、鱗粉の落ちたボロ蝶だろうと期待もせずに見にいくと、どうもムラサキシジミのような感じである
高い木の上にいるのでブロック塀に登り観察すると、翅裏はムラサキシジミだが、尾状突起が見える 「これは確かムラサキツバメだ」と半信半疑でカメラを持ち出し、撮影したのが下の2枚の写真だ
ムラサキツバメは四国・九州の蝶で、当時手持ちの保育社の図鑑(昭和47年版)には「近畿地方以北では採集記録はない」と記述されており、釈然としなかった
その後新しい図鑑や雑誌などで、南から北へ分布域を拡げ関東にも進出しているという情報を確認した
地球温暖化の影響とはいえ、今でもアンビリーバブルな事件である


そのムラサキツバメに本来のホームグランドで出会ったのは珍客来訪事件の11年後である(写真上)
場所は鹿児島県の佐多岬、友人たちとの観光旅行中に遊歩道わきで見つけたものだ
ちなみに地球温暖化によるムラサキツバメの北上傾向は10年間で加速し、今では東京23区の公園でも観察することができるという